「 そら豆もいいね 」



 このそら豆、当然わたしは、ソーラさんとアスカさんに、
食べさせてみようと思いついた。

 なんせ、冬場はサツマイモが豊富でやすく売っていたが、
気候もあたたかくなってきて、そのサツマイモも姿を消しつつある。
量が減って、値段が高くなってきた。

 そこでそら豆登場。それに、そら豆は一口サイズでちょうどよい大きさ。
彼女たちには、相当大きな一口サイズである。
 ちょうどサツマスライスと同じくらいかな。
サツマスライスの方がやや面積的には大きいかな。
 
 このほか、一口サイズとしては、最近鈴カステラにも着目している。
また、ちひとくちカステラというのもある。
むかしなつかしいデザインのお菓子だ。 
100円均一のお菓子で、最近かな、もっと前からか、
コンビニでよく見かけるのである。
ちょっと甘すぎかな。あんまりやると虫歯になりそうだ。

 いずれにしても、ミニダックスからすれば、鈴カステラ一個で、
わたしにとっても「ヤマザキの手づくり風メロン」パンくらいの
大きさになるだろう。きっと。

 (ヤマザキの手づくり風メロンは、誰かさんのおすすめ、
フェイバレットな一品である。
例だから、何でもいいんだけれど。)

 なにげなく、コロリと鈴カステラを上げれば、
「ヤマザキの手づくり風メロン」パンひとつ分。
コロリとまた転がせば、二つ分。
 プロポーション抜群のソーラさんでもふとりそうだ。
 
 話を戻して、まあ、彼女たちのおやつも季節感があった方がいいだろう。
という訳で、その出来上がったやわらかめのそら豆をさやから出して、

「ほいっ」

と二つ、彼女たちにそれぞれあげた。

「やや、これは、なんだろう。ちょっと変わったにおいがするぞ?」

 茹で上がったばかりでとても熱いせいもあり、
床に転がったそら豆を鼻先でにおいをかいだり、つついたりして
様子をうかがっている。食べようとしない。

 気にいらないのだろうか?
うまいわけなのだが。
 エッ、茹で方がやわらかすぎるから。まさかーあ。

 犬は、猫舌なのだろうか?

 わたしは、自らひとつそら豆を食べて見せた。

こうやって、食べるとおいしいよ。

バクリっと

 (あっ、食べられるんだ。おいしそうじゃん)

 最初に気付いたのはアスカさんだった。
わたしの食べるのを見ていて

ハッとなって、

すかさず、そら豆を食べ始めた。

 それを見ていた、ソーラさんもおくれじとそら豆を食べはじめた。
やや熱い様で戸惑ってはいるが、気に入ったようだ。

 アスカさんが”ハッと”なったのが愉快だった。
なんかものすごく重要なことに気付いたときみたい。
 アスカさんにすれば大発見である。

 それから、ときどきそら豆をあげている。
サツマイモと同じように、冷蔵庫で乾燥そら豆にしたら、
ちょっと歯ごたえありすぎる。
すでに、わたしには手に負えなくなっている。
でも彼女たちはさすがに歯が強いので気に入っているようだ。

 その後、このそら豆は、飲み屋さんで、
網の上で直に焼くのもおいしいということも分かったのである。

 これは、わたしだけが食べるのである。

             (おしまい)   

                       (2002年6月上旬)

(このページで流れている曲は「EYES」です。STLさんの作品を使わせていただいています。つばめが空を飛んでるように、明るい気持ちになります。聞いてください。)

 アスカさんついにやっちゃったの!? 目次