「 あっ、それって、食べたいなー その二 」


 とにかく、食いしん坊のふたりだ。

 ドッグフードは、いつもおふくろさんが買ってくる。実は、彼女たちの保護者として真のご主人は、名実ともに、おふくろさんであるのだ。彼女たちも、実は、おふくろさんの言うことなら何でも聞くのだ。わたしと遊んでいても、おふくろさんがやってくるとわたしをあっさりと見捨てて飛んでいってしまうのである。

 それはさて置き、ドッグフードはゲインズセレクション(成犬用)と袋に書いてある。わたし自身、自分では買ってこないから詳しくない。自然食材、新鮮小分けパックと書いてある。1.5キロで980円。アスカさんのために、シニア用というのも時々みかける。

 朝の食事は、私が用意する。といっても家の中の、ゲージから彼女たちを出して、サッシをあけて彼女たちをベランダへ出し、お猪口くらいのカップに山盛り二杯のゲインズセレクションをステンレスの彼女たちの器へ入れてベランダへ差し出すのである。

 朝は、7時5分のバスに乗らないといけないので、芸は一緒にやってあげられない。アスカさんのお皿とソーラさんのお皿を分けて、成犬用をソーラさんへ、シニア用をアスカさんへ出すように、おふくろさんからは申し付かっている。

 しかし、別々に出しても同じベランダに置いておいたら、結局どちらも食べてしまう。アスカさんは栄養価の高い若向けの成犬用を食べたがるし、逆にソーラさんが、ヘルシーなシニア用を食べていたりする。

 だから、きちんとこれを守ろうとすれば一人はベランダで、もう1人は家の中で、別々に食事をするしかない。そして、それを見届けてからふたりとも、春であればベランダへ、真冬の寒いときなら家の中のゲージへ入ってもらうことになる。

 でも朝は、とても時間に追われてるから、それが出来ないので、ひとつ器で食べることになり、ほとんど全部をソーラさんが食べてしまうのではないかと言う事態が生ずるのである。

           ( つづく )  

                        (3月中旬)

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