ヤマハFGは、ラベルの色によって年代が分類されている。
古い順に赤、グリーン、ブラック、オレンジ、ベージュ。
名器と言われ人気が高いFG−180は、ヤマハのフォークギターの第一歩。最初の作品。だから、気合が入っていたんだろうね。値段の割りにというか、いいギター作ってしまった。
グリーンラベルも質が高い。
ブラックラベルも人気が高い。
この以後、オレンジラベルになると、一般普及用はFGシリーズ、本格手工ギターはLシリーズと、路線が変わってきた。
ブラックラベルは、たった一年間で生産を終了している。
きっと、その頃高度経済成長でお金の価値があっという間に変わってただろうし(インフレ)、オイルショックの前後でもある。
このレベルのギターをこの値段で作っていては、どう考えても採算が合わないのではないかと心配になる。
このFG−500J、ウエスタンボディとしては、最高峰といってもいいのでは。
この不思議な高音弦のサステイン。どうでしょう。
低音のボーンと鳴ること。どうでしょう。
制動感がありつつ、華やかな高音。
マーチンも、ギブソンも、ギルドも、こんな感じの音は、ないんじゃないかな。
このギターをメインギターにずっと使う人がいても、まったく不思議じゃないと思います。
一押しFG。
スプルース単板、コーラルローズ合板ボディ、アフリカン・マホガニー・ネック、黒檀の指板など、惜しみないスペックが与えられたヤマハオリジナル・ウェスタン・ボディのギターです。
FG−500Jを発見、値段を見るとやけに安いので心配に。よく見るとトップの板のど真ん中が浮き上がってる。
中古FGをゲットするには、大体が一筋縄では行かないものです。なかなか完璧にとは行きません。
とりあえず弾かせてもらったら、ぜんぜんOK。何でトップが浮き上がったか、考えるとちょっと不思議ではありますが、割れているのとは違うようなのです。
それに割れていても、いつの日にか、直せないことはないと思います。
弾いてみたら、迷わずゲットでした。
ブラックラベルのこの兄弟機種にフォークタイプでFG−500Fと言うギターがあります。やはり同じスペックで、スプルース単板、コーラルローズ合板のボディ、アフリカン・マホガニーのネック、黒檀指板が与えられたモデルがあるのです。未だ、中古の楽器店、またネット上でも見かけたことがありません!
きっとすばらしいギターなのではないかと思います。
持ってる人が手放さない。
高級なFGが、中古市場に、出てくる理由と言うのもちょっと考えたことがあります。
この持ち主は、団塊の世代の方たちだと思います。1970〜75年頃青春時代。と言うことは、1950年頃から55年頃の生まれの方たちではないかと。
その方たちが、
ギターを買い換えるか?または、
経済的に困るか、あるいは
ギターが弾けない状態になる!
などの理由によって、中古市場に、伝説のFGが少しずつ出るのだと思われます。
本当は、いつまでも、元気でいて持ち続け、弾き続けていてほしい。
このFG−500Jも、シールの貼り跡はあるし、ピックアップを取り付けるためにエンドピンを交換してあります。音もとてもよく鳴っています。
けっこう弾いてもらったみたいです。きっと幸せなギターだと思います。
( 文、写真、音 2006.2.24 UP )
( 2005.9.15 UP )
モデル名 | YAMAHA FG-500J |
製作年 | 1974〜75年 |
top | スプルース単板 |
side & back | コーラルローズ合板 |
neck | アフリカン・マホガニー |
fingerboard & bridge | 黒檀 |
ラベル | ブラック |
弦長 | 636mm |
生産地 | 日本製 |
特徴 | 人気の高いブラックラベル。ヤマハウエスタンボディ最高峰。スプルース単板。これがブラックラベル。 |
購入時のエピソード | つい昨日自宅に持ち帰りました。先週木曜2月16日THE中古楽器屋で発見。月曜日、仕事のあとあの雨の中わざわざ確かめに行く。キープ。2月23日自宅へ。ど真ん中、トップが正中で浮き上がってるので安い。音とネック状態バッチリ。久しぶりにゲット。すごく音が気に入る。 |