「 マッチ売りのソーラ その一」




 それは、クリスマスの夜のことであった。
年の瀬もおしせまり、人々はあわただしく街を行き交うのであった。
それぞれに、新年を迎えるための準備があるのだろうか?
または、今夜のクリスマス・イブを家族とともにささやかに迎えるために、
やり残したお仕事があるのだろうか。
 人々は、せわしなく街を行き交うのであった。

 街には、クリスマスソングが流れている。
ショーウインドウには、クリスマスツリーが飾れれている。

 おもちゃ屋さんには、クリスマスプレゼントのおもちゃや、
ぬいぐるみたちがひしめいている。
 プレゼントを買う人たちでにぎわっている。

 ケーキ屋さんにも人があふれている。
ウインドーの中に並ぶケーキはどれも色とりどりに美しく、美味しそうだある。


 そんな、にぎやかな街の中にあって、ただ一人、少女が歩いている。

 トボトボ……と、   トボトボ……と
少女は歩き続ける。

 マッチ売りのソーラさんである。
 


 母は、ソーラさんが生まれてすぐに死んだ。(おいおい)
 

 あっ、ちょっとすいません。

 おことわりしておきますが、これは、まったくの物語です。
すべての設定は、あてになりません。

 失礼しました……(^^)

 
 マッチ売りのソーラさんの母は彼女が生まれてすぐに病気でなくなった。貧しい暮らしの中で、滋養のある食べ物もままならなかった母である。肺病を病んだそうだ。

 父は母が死んでからというもの、酒浸りになった。
酒を飲んでは、ひとり酔いつぶれるのだ。
 そして、働きに行くもやめてしまった父は、最近苦しそうに咳ををするのである。

 母と同じ病なのかもしれない。

 家はますます貧乏になって行くのだある。



     そのニ