「 クリスマスでもやろうか その一 」



 今年もいろいろあったねー。

 今日は、ソーラさん、アスカさんの主催で忘年会である。
マッキさんも呼ばれて行くのでる。準備も手伝おう。

 さて、いつものメンバーが集まって、寮での話。
(おいおいいつ、どこでの話しなの?)
寄るとさっわると何でかんで暇のものだから、このメンバーは集まっているのである。

 ひまだー、となるとちょっと部屋をのぞきに行って、ポテトチップスとか、お菓子を持ち込んで、ビールを飲んだりして何時間もだべっている。

 新しいレコードとか、聞かせてもらったり、おもしろい番組があると、ついでにちょいっとみせてもらったりね。

 そんな寮には他にもいろいろな住人がいる。
もう何年も居座っている人もいる。(グラサンじいさんかな。)
 
 それで、今日は、その延長線でこのメンバーで忘年会をするのである。

 すきやきをするのである。

 その他にも、めいめいがいろいろ持ち寄っている。
だいたい、料理において仕切る人がいない。

 みんな、料理についてあまり知らないのである。
寮だからね。まあ自炊してる人はけっこう知っているんだろうけれど。

 ビールだけあればそれでいいのかもしれない。

狭い部屋ではあるが、まあいいでしょう。

 すきやきをするために、材料がそろえてある。

 鳥のから揚げもある。お菓子もある。チーカマとかサキイカや味わいマグロの類はずらりと並べて。 
 サラダも、キューリなどスライスして、マヨネーズであえたりしてある。
そのスライスが問題だ。
 シュッ、シュッ、シュッとれいの、エー何ていうのかな、薄い刃のついている板ね。

 どっから借りて来たのか、何だか慣れない事をするものだから、指も削りそうだよ。
 何か今のスライスちょっと赤くなかった。
カンベンしてよ……。まあ気にしない。


 準備してくれた人に、リクエストを出す人がいる。
マッキさんである。

 「すきやきの他におでんも食べたい」

 「……」
 
 ちょっと坂の下まで行けば、買ってこれる。
自転車で行けばわけはない。

 「おでんも、食べたいいよー」

 「えー……」

 主催者側が、それどころではなくて、忙しそうだ。
 
 「きっと、これえじゃー足らない気がする」
 
 お腹いっぱい食べたいマッキさんである。

 「自分で買ってきてもいいー。ねーねー。」

 出かければ、30分はかかるだろう。
まあ夕方であり、それほど暗くはない。でも
もうすぐ暗くなる。

 「むずかしーこと言うのねー。えー、行くってくるのー。足りると思うよ。」

 考えてみれば、招待されて、わがままなことをほざいているのである。
おでんの材料を買ってくるのは自転車で飛ばせば何とか……。
 しかし、それを料理するとなれば、なかなか大変だー。今のようにおでんパックがあったかどうか?
そのときおでんパック(真空パックの)を買おうと言う発想がまったくなかったので、きっとその頃はあまり普及してなかったんだろう。
(いったい、いつのはなしでしょう。)

 だんだん、実行する勇気はなくなってきたのである。
ちょっとわがままを言って見たかっただけなのか。

 「じゃあ、まあおでんは、あきらめよっと。残念だけれど……」

 「足りると思うよー。けっこうあるよ。」


 そのようにして、忘年会がはじまった。
窓のそとは、もうすっかり暗くなっている。

 まずは、乾杯だ。
パンパーっと、クラッカーを鳴らしてみる。
いいねー。

 しかし、こまかな紙テープが、すきやきの材料やサラダに舞い落ちるのではある。

 次にシャンパンだ。
なかなかシャレたものが用意されている。

 これが問題なのである。