「 ソーラさん、どうしたの? その三 」




 オーイ、ソーラさん、そんなところでじっとしてないで。こっちにおいでよ。抱っこしようか?

 と呼んでみても、ソーラさんは来ないのである。
変なやつだなー。ホントにー。

 ぴたっと止まっちゃったよ。フリーズかな?


 1月5日(日)

 あーあ、正月の休みの今日で終りだなー。
あちこちで何回も書いてるよーな。一体何日間遊んで暮らしてると思っているんでしょ。
まあいいや。

 今日もいい天気。朝のうちは当然寒いが、きっと昼頃には、小春日和で日のあたるところはけっこう暖かいだろう。

 ふたりを、ベランダへ出して、ドッグフードをあげる。
しばらくして、のぞいて見ると、ドッグフードが丸残りである。

 たしかに、アスカさんは最近太ってきた。
正月休み、わたしがウチにいるので、ついつい食べ物をあげてしまうのかも知れない。
よくないことだ。

 そのあと、お茶を沸かして、わたしは朝食をとることにした。
アップルパイである。まあ軽く。

 ソーラさんとアスカさんが駆け寄ってくる。
ソーラさんはイスに足をかけて飛び跳ねて来さえする。

 でも、ドッグフードには、ぜんぜん手をつけていないのである。
 そこまで、飛び跳ねるかなー。ちょっとどうかと思う。 

 ソーラさんが、変なやつだなーと思う瞬間は多い。
遊ぼうよと呼んでいるのに、来ない。アスカさんは積極的にどんどん来てくれる。ついついアスカさんと遊んでしまう。
 ソーラさんは、ちょっと離れたところからそれを見ている。
 もしかすると、というか、きっと、アスカさんに気を使っているところもあるのだろう……と気づく。

 実際、ソーラさんと遊んでいると、アスカさんが、その間に、ググッと、からだを割り込ませてくるのである。ぐぐぐっと、ナチュラルにアスカさんは割り込んでくるのである。インターセプトって感じで。
 アスカさんはどこの世界に入っても、ちゃんとやってゆける人なのである。
たくましいでしょ。

 ソーラさんは、一旦追いやられるのだけれど、周囲をウロウロとまわりつつ、チャンスをみて、再び、アスカさんとわたしの間にからだを割り込ませて来る。頑張ってるなー、なかなか。
 そんな訳で、きっと、気を使っているところもあるみたい。頑張ってるけどね。

 アスカさんを抱っこしたりしていると、ソーラさんが離れた所から、なんだかイジケて見ていたりするのである。また逆もあり。アスカさんがなんだかひねくれてるときもある。

 散歩へゆくとき、階段を下りるとき、ふたりを一緒に抱えるのだが、階段をニ三段降りると丁度、ふたりを抱えやすい高さになる。

 アスカさんはさっと来てくれるが、ソーラさんは、あとずさったりしている。

 かといって、散歩へ行きたくない訳ではないのである。お散歩は大好きなのである。
でもソーラさんは、それを素直に表現できないのである。

 抱えて降りようとすると、必ず、止まってしまう。
しかたなしに、わたしの方からアスカさんを抱えたままで、また階段を登って、わざわざ、迎えに行くことになる。

 首のところを引っ張って、階段の方へ引き寄せて、そして抱き上げるのである。
手間をかけさせるやつなのである。

 今日も、そんなソーラさんは、威張ってほえているのである。


 話は、ちょっとずれるけれど。
ベランダでないていたりするとき、時どきふたりをベランダに出したままでさつまスライスをあげることがある。

 アスカさんは、さつまスライスをくわえるとさささっと犬小屋(外用の、三角屋根の)の方へ入って行ってしまう。安全な場所でゆっくり頂くと言う寸歩である。

 最近では、ソーラさんも、さつまスライスをくわえると、同じようにさささっと犬小屋の方へくわえてゆくようになった。
 犬らしくて、たくましいことではある。

 だけど……。

 ソーラさんもアスカさんも、さつまスライスをくわえて、大急ぎで、一緒に犬小屋の中へ駆け込んでゆくのだけれど……。

 そっれて、本当に安全な場所なんだろうか?


   (おしまい)


               (2003.1.5)