「 ソーラさん、どうしたの? その一 」




 オーイ、ソーラさん、そんなところでじっとしてないで。こっちにおいでよ。抱っこしようか?
 と呼んでみても、ソーラさんは来ないのである。
変なやつだなー。ホントにー。

 ぴたっと止まっちゃったよ。フリーズかな?



9月 1日(日)

 彼女たちは、やはり、毛がふさふさしているので、暑いのは苦手。食事も進まないみたい。
ドライフードが丸残り。だから、量を減らしている。さすがにお腹が空けば食べるだろうとおもっているのだけれど、なかなか、ガツガツと無心に食べるシーンに最近出会っていない。

 それなのに、ちくわとか、ジャーキーとかは、ものすごい勢いで食べる。特にソーラさん。

「あのねー」

といいたくなる。どういうことだろう。
こんなんでいいと思っているんだろうか?

 本人によく事情を聞いて見なければならない。

 ソーラさんは7月頃から、ヘルニアが出ている。ソケイ部(足の付け根)にコブのようにポッコリと出ている。腸の一部が下がって来て、隙間から、飛び出すのだ。

「あー、憧れのソーラさんがヘルニアになってしまった。」

ちょっとショック。でも最近慣れてきた。

 ヘルニアがあろうがなかろうがソーラさんはソーラさんである。
いたって元気だ。

 夏休み中は、彼女たちと過ごす時間が多い。
ベランダは暑いのか、すぐ部屋の中へ入りたがる。さもあろうと思う。
 JUNちゃんのとこでは、行水をしているそうなので、試してみた。
すると、アスカさんは経験があるらしく、喜んでいた。ソーラさんは、びっくりしていた。

 夏休み中、日中パソコンに熱心に向かっていると、ソーラさんがワンワンほえる。そのほえ方が、とても威張っている。

「オーイ、暑いぞー、はやく入れてくれー、早く入れろー、入れない気かー。
何やってんだー。」

 威張ってるぞー。ヘイヘイ。かなわないなー。

 夕方は涼しいから、そんな風に威張ってないていても、そのうちあきらめてくれる。
でも、ちょっと、引っ込みがつかないみたいに、捨てゼリフを残すみたいになき止む。

「ちぇっ、なんだよー、まったくー」

とね。

 やけに威張っているのである。
そのような、きっかけがないと、わたしも重い腰を上げなのだから、いい勝負かもしれない。


9月11日(水)

 ソーラさんとアスカさんはベランダへ出したけれど、すぐなきだして、早くいれてくれと抗議をしていた。それで風呂から上がると早々に台所の方へ入れてあげた。結構暑いし、虫がうるさいのかも(蚊とか)しれない。ゲージを開けてあげると率先してささっと中へ入ってしまった。
 昨日雨の中半日ばかりベランダで過ごしたようなので(ベランダには屋根も三角屋根の犬小屋もあって直接はぬれないけれど)、それで大変だったのかもしれない。
または、ベランダのコンクリーがぬれていたりして、いやなのかも。
 最近、さっと喜んでベランダへ出てゆかない。
特にソーラさんはなかなかベランダへ出てくれなくなった。


9月11日(水)

 ソーラさんが最近ゲージの中に貼り付いている。ベランダは促して、ゲージの扉も、サッシも開けるのに、出てきてくれない。
 体の調子でも悪いのだろうか。ヘルニアはひと時に比べると治まってきているようだが……。何となく歩き方も腰のあたりに力がなくてふらふらしているような。

 でも、ベランダにいち早く出たアスカさんにジャキーを上げているとさささっと出てくるのだ。
大丈夫そうだ。ちょっとすねているのかな?
 それで、ちょっとした作戦を考えた。


 9月13日(金)

 ソーラさんがゲージからなかなか出てこないので、先にでているアスカさんにだけ、ジャーキーを上げてみた。
 ソーラさんは急いでベランダへ飛び出してきたが、

「ソーラさんが悪いんだからね、」

と言い聞かせて、ソーラさんへはジャーキーをあげなかった。

 翌日、ゲージの扉を開ける。アスカさんはさっと飛び出してゆく。
ソーラさんは渋っている。顔をしげしげと見る。

「行かなくていいの?」

 それでジャーキーの入っているビニール袋をはじいてカサリと音を出してみた。

 すると、ソーラさんは慌ててベランダへ出て行った。しめしめ。