「ど近眼のマッキーさん、どうもバレバレ」


 いつものように、マッキーさんは、コンビニで買い物をしている。

 バナナボートにするべきか、はたまた、
ヤマザキの手づくり風メロンパンにするべきか、決めかねている。
 なんか、疲れてると、何を買うか決めるのが面倒くさくなる。
目を近づけて、ちょっと迷っていると。

 「マッキーさん、バナナボートにするの?それともメロンパンにするの?
とっとと決めちゃいなさいよ」と

突然、べてらんアスカさんの声が、背後から聞こえる。

 「あれー、何で分かっちゃうのかなー」

あまり知られたくも無いような、
つまらないこと(けっこう重大)で、迷っているのである。

 「マッキーさんの場合は、ちゃんと分かるのよ、
全部ね、隠しても無駄なことよ、ふふふ」
 
 (バナナボートとメロンパンで迷っていてまだよかったのであるが……。
 むむ、もしや、と思い当たるふしもあるのである。あの、ふふふという笑いは何だろう。)

 また、ある日、コンビニでマッキーさんは、あたりに警戒しつつ、ちょっとよくない本のある本棚の前にいる。
 さあ、検討に入ろうかと思った瞬間。

「マッキーさん、やーだ、いま、何か変な本を買おうとしてなかった」
またも、べてらんアスカさんである。

 「いえ、ちょっと雑誌を」

 まあ、まだアスカさんでよかったかもしれない。
知れては、まずい人はもっと他にいるのである。

 「何か、そーでもないんじゃないかな!?あやしいもんだわね」 

(なんで、こう行動がばればれなのか、こりゃうかつに動けないぞ)
とマッキーさんは、気持を引き締めるのであった。


 ある美術館でのこと。
マッキーさんは、通の顔をして、芸術干渉をしている。

 ある大きな絵の前で、立ち止まりしげしげと眺める。
どういう訳か、その絵の周りだけやけに人が少ない。

 ここなら近寄ってゆっくり見ることが出来るな。

 しげしげと眺めているうちに、ふとあることに気付き、
さっとそこから離れたのであったが。

 それをあこがれのソーラさんがみていた。

「やだー、マッキーさん、ずいぶん熱心にみてるのねー。」

 「そういう訳ではないんですけど」

うろたえるマッキーさんであった。

 また、小さなブロンズ像が、台の上に載っている。
これは、一体なんだろう。よく分からないので、近寄ってしげしげと眺める。
 やはり、なんといっても、自分の目で確かめたいと思うから困ったものなのだ。
 しげしげと眺めているうちに、あることに気付いたので、慌てて、そこから離れた。
 しかし、べてらんアスカさんは見逃さないのであった。

 「あらやだー。そんなに、眺め回したりして、マッキーさんったら、ホントに…」

 「いえ、そういうわけではないんです」

といっても、誤解は当分とけないことだろう。

 見えないものは、見ない振りも出来ないのである。

 なんか、穴があったら入りたいような気がするマッキーさんであった。

 そういえば、本をよんでると、本の匂いかいでるんでるの?とか言われたことあるなー。
ミニダックスになってからは鼻はすごくよくなったので、
本の匂いなんて10メートルはなれていても、どんな本か内容までわかる。

 でも、鼻先が長くなったので、字が見えにくくなってしまった。
目が本に近寄せられないのである。

 このように、マッキーさんが見たいと思うものをあくまでも見ようとすれば、
いろいろと誤解もうまれるのである。別に見たところで大したことはないんだろうけれど。
 何でも知りたがりのマッキーさんなのだ。

 また、誤解がうまれるようなものこそ、実はマッキーさんは見たいので困るのであった。

           (おしまい)

     あこがれのソーラさん