「 一緒に遊ぼ その三」

          


 「アスカ」と呼べば、
アスカさんはやってくる。
それで、ただ、抱いて膝に乗せているだけというのもつまらない。

 でも、ほんとはそれだけで充分なのかも。

 アスカさんは親愛のしるしとして、コロりんとお腹を見せてコロがる。まずは、お腹をさすってみる。あごの下もさすってみる。

 コロりんとコロがっていると、手を折り曲げていてかわいい。
手をコロコロとさすってみる。
すると、土を掘るように、手を交互にくるくると動かす。
もう一度手をかまってみる。
するとまた、忙しく土を掘るように手をまわす。
おもしろい。そしてかわいい。いかにもじゃれている感じだ。
これだけで充分たのしい。

 今度はアスカさんの手を押してみる。
すると押し返してきた。
少し強く押しても押し返してくる。
もう少し強く押すと、
アスカさんも頑張って押し返してくる。

 おもしろい。アスカさんもそれほど困った様子もなくのっている。

 今度は、お腹をさすってみる。
喜んでしっぽを振っている。

 今度は一本指でお腹をくりくりっとしてみる。
アスカさんはしっぽを振るのをやめる。

 今度は一本指でぐりぐりっとしてみる。
アスカさんは怪訝そうな顔になった。

 少しぐりぐりの時間を延ばしてみる。
お腹の筋肉に力が入ってきて、くるりと起き直ってしまった。

 「アスカ」と呼ぶ。
するとアスカさんはまたやってくる。そしてコロりんとお腹を向ける。
 
 そして、また、一本指でお腹をくりくりっとする。そして、ぐりぐりっとして、そしてぐりぐりぐりぐりっとする。

アスカさんの腹筋に力が入ってくる。

 「アスカさん、がまんだよ」と声をかけて励ます。
アスカさんは頑張って、ぐりぐりをこらえている。

 そして、ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりっとする。
さすがのアスカさんも、ヒラリと身をひるがえし起き直って遠ざかる。

 いざとなるとアスカさんはすばやく力強い。

   
                       (つづく)

       その四