「 しっぽの振り方について 」 



 今日は、北海道から妹夫婦がやってきた。
はるちゃんもやって来た。

 そこでソーラさんとアスカさんも団地のおやじさんの所へ集まった。
みんなで夕食をたべることになった。

 わたしが団地へ着くと、はるちゃんたちは、すでに来ていた。
ソーラさんとアスカさんも団地のおやじさん宅を歩き回っている。

 はるちゃんは、彼女たちが好きなようで熱心に彼女たちと遊んでいる。
 この前きたときより、ずっとおねえさんになったはるちゃんは、
彼女たちを追いまわしたりせず、前回よりずっと仲良くしている。
彼女たちもはるちゃんの周りへやってくる。

 はるちゃんがビスケットを彼女たちへあげた。

「さっきね、ソーラがビスケット食べたよ」

とはるちゃんはわたしに教えてくれた。
はるちゃんにはそのことがとてもうれしいようだ。

 はるちゃんは四歳でまだまだからだも小さい。
ソーラさんとアスカさんもミニダックスで小さいが、
相対的に、はるちゃんから見るとけっこう大きい。
はるちゃんが座って彼女たちを抱いてあそんでいると、
はるちゃんの半分ぐらいの大きさがありそうに見える。
 いつも小さく見えるソーラさんとアスカさんが、今日はなんだか巨大にみえる。

 前回は、2001年9月か10月頃だったか?
 はるちゃんはソーラさんとアスカさんを追いかけて机の下にもぐり、
こつんとときどきおでこをぶつけていた。でも泣かなかった。
 追いかけられると逆に、彼女たちはどことなく、はるちゃんから徐々に離れているように思えた。ソーラさんとアスカさんもなんとか頑張っている感じだった。

 しかし今日は、彼女たちはいつもはるちゃんの近くをうろうろとしていた。
はるちゃんがおねえさんになったし、ビスケットは持ってるし。

 いつの間にこんなにおねえさんなったのか。
わたしが、このコツをつかんだのはもっと時間がかかっている。
ペケさんにかまれてからのことである。

 わたしは、はるちゃんにソーラさんとアスカさんの芸を見せようかと試みた。

 しかし、ソーラさんはどうもやってくれない。
気難しい顔になった。

 しかし、芸なんかしなくても、はるちゃんは彼女たちが大好きだし、
彼女たちは、はるちゃんにやさしいのである。
 それで充分なのだ。
 
 夕食のとき、ドッグフードを持って来ていなかったので、ご飯に牛乳をかけて上げた。とりあえずは落ち着いたようだ。

 それでわたしたちも落ち着いて食事に入った。

 ソーラさんとアスカさんは、テーブルの下を、ぐるぐると回ってはいたが、
一応お腹はふくれているようだ。

 そのときふとわたしは気付いたが、

(彼女たちは、こんな風にしっぽをふるんだったっけかな?)

 ゆうゆうと大きく、からだ全体でゆっくりしたサイクルでしっぽを振っていた。
振っているのだけれどなんか大きく回しているような印象をもつ。

 歩き方も、いつもよりリズミカルに胸をはってすたすたと歩き回っている。
顔もどことなく、口元が上がってご機嫌そうに見える。

 彼女たちは、にぎやかなパーティが好きなようだ。
はるちゃんをあたらしい友達と思っているかもしれない。

 すごく、ご機嫌なときはああいう風に、
ゆっくりと大きく回すようにしっぽをふるものらしい。

           (おしまい)  

                       (2002年3月下旬) 



「こんちわ」
どっちがどっちでしょう?



アスカさん、丸太のようなお腹



お母さんの膝の上のはるちゃんの
膝の上のアスカさん



「お腹もいっぱいだわ」
 「そうね」


(このページに流れている曲は、村長さんの「深海」を使わせて頂いています。村長さんがこのエッセイを気に入っていただいたので、こちらに使わせていただきました。神秘的な海の底をゆっくりと進んで行くようです。何かすばらしいものに出会えそうな気がします。)


 追伸、7月19日、はるちゃんに弟ができました。(^_^)

          おめでとうございます。


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