「 アスカさん登場 」


 ソーラさんが2歳くらいになった頃、寂しがってなくことが相変わらず多かった。
その頃、おふくろさんのアイデアで、仲間を呼ぶことにした。

 ソーラさんは、名古屋出身である。
おばあさんが犬好きで大勢のミニダックスと暮らしている。
カップルもいて、年に何匹か生まれるとのこと。
ソーラさんもその中の1人である。

 その中にアスカおばさんもいたのである。
アスカさんも、おばあさんと暮らしていたうちの1人であったが、
大勢の姉妹があり、その中の1人と相性が悪く、
大暴れのけんかばかりしていたとのこと。
今のアスカさんからは、あまり想像できない。

 そういえば、道で他の犬とすれ違うとき、
ソーラさんは、怖がってしっぽを巻いてしまうのに、
アスカさんは、どこ吹く風と平気である。
 むしろ相手の犬を脅しにかかるところがある。
ソーラさんが威張っているのは、ウチの中だけだ。

 アスカさんがウチに来たのは、こちらの必要性と、
あちらの事情の両方によるらしい。
 そして、アスカさんはウチへやってきたのである。
それは、1999年の年も明けて間がない頃だったように思う。
2月頃だったかな。今ごろだったかな?

 最初のうち、ソーラさんは他の犬と一緒に暮らしたことがないので、
戸惑っていたようだ。
数日間は別々に寝せていたが、ほどなく一緒の小屋に寝かせることにした。
 暗くしてからしばらくの間、ソーラさんの悲しげな、
悲痛な鳴き声が響いていたが、しばらくしてそれも収まった。
        

                  (つづく)  


       その二