05 YAMAHA FG-580 ( ヤマハ FG−580 )


 このギターを買った頃は、ヤマハFGについての知識をまだあまり持っていなかった。グリーンラベルのラインナップも解っていなかった。
 FG−200をなんとなく最初一本持ってました。このFGー580がそのラインナップの中級機種であることも知らなかった。

 雑誌で、レトロ・バザールという中古楽器店の広告を見て、そこにこのヤマハジャンボタイプの見たこともないギターが載っていた。サイド&バックがハカランダと書いてある。

 その前に、ちょっと「ヤマハジャンボタイプのボディ」と「ハカランダコンプレックス」について。
ヤマハは
   フォークタイプ、
   ウエスタンタイプ、
   そして、ジャンボタイプのボディがある。

 フォークタイプボディーは、FG−150、
 ウエスタンタイプボディーは、FG−180
が代表的機種と言えるでしょうか。
 そして、このジャンボタイプ。特に、ヤマハの代表的なボディ・シェイプとなっている。

 1971年に初めて、ジャンボタイプのギターが作られている。
FG−2000というオール単板モデルで、サイド&バックがハカランダという超高級機種。

 ハカランダ単板を使用していて、当時当然高価だったけれど、ハカランダが今ほどまでには、高級な材とはなっていなかった。
 ハカランダは、今では、超高価な木材となった。
だんだん世界中の木が伐採されて、数が減ったこと。
また、ワシントン条約によって、森林保護、生態系の保護のために、その輸出入が禁止されたことによる。
 そんな訳で、ヤマハも今では、ハカランダを使わずにギターを作るようになった。世界のギターメーカーもどこもそうなって来ている。ハカランダを使うとすれば、貴重な在庫による訳だ。ある意味ハカランダを使うのは、反則かなー。
 それを嘆く人もあるが、それが世界のルールなのだから、ハカランダを使わずに、素晴らしい音作りに挑戦するしかない。

 ハカランダ・コンプレックス!
と言う感じが、ギターコレクターの中にはある。
プレヤーはそんなこと気にする暇もないかも知れない。
いい音だったらこだわらない。
 ハカランダはローズウッドよりも、華やかな音が出るのだと言われている。だから、みんなこの素材にこだわるのでしょう。

 1997年、いろいろな面で一段落ついた時期だったので、YAMAHA LL−31Bというギターを買った。
しかし、それはやはりニューハカランダと言う材で出来ていて、本当のハカランダではなかった。

 その後、ハカランダへの興味は尽きず、このFG−580に出会ったのだけれど、そのときは、これこそハカランダだと思っていた。しかし、どの資料を見ても、ニューハカランダと書いてある。
 結局、ニューハカランダというの、ローズウッドなのだそうです。

 このFG−580は、それだけ色といい、木目といい、迫力あります。音も、柔らかくて、そして華やかで、しっかり音が出てます。
 値段も、このFG−580に関しての評価は、ホントに、ピンきりです。
 店によって、高い方と安い方で15万円と5万円という風に、10万円近く差が出るのです。不明です。
 とりあえず、音は、とても気に入ってます。FG−2000の製作を受けて、グリーンラベルにも登場したみたいです。

 このギターを手にしたとき、ヤマハは、この時期は、やりたいことをどんどん思い切りやってたんだなっと思いました。ジャンボタイプのハカランダ、バックは2Pです。
 
 よく伸びる音作り。とても華やかな音です。

 3Pバックの方が木の大きさは小さくてすみますね。2Pバックはホントに大きなハカランダの板を使う必要がありますね。これも今では大変なことですよね。まあ、FG−580はニューハカランダだから、そんな心配しなくていいのだけれど。

 高音のサステインはウエスタンボディーのFG−500Jを思わせるところがあります。
大きいボディーですが、思いのほか繊細に響きます。

 とても気に入ってます。

     ( 文 2006.3・1  UP )
 
















モデル名 YAMAHA FG-580
製作年 1972〜74年
top スプルース単板
side & back ニューハカランダ/同単板
neck アフリカン・マホガニー
fingerboard & bridge 黒檀
ラベル グリーン
弦長 637.2mm
生産地 日本製
特徴 ヤマハ・ジャンボ・ボディー、ニューハカランダの使用、トップとバックに単板使用。
バックのニューハカランダ単板2Pバックは貴重。
購入時のエピソード 西部池袋線 東松山まで出かける。雑誌の広告をみて。はるばると。1997年春購入。ヤマハのFGにこんなギターあるのかと驚いた。


 FG−580の音が聞けます

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