このギターを買った頃は、ヤマハFGについての知識をまだあまり持っていなかった。グリーンラベルのラインナップも解っていなかった。
FG−200をなんとなく最初一本持ってました。このFGー580がそのラインナップの中級機種であることも知らなかった。
雑誌で、レトロ・バザールという中古楽器店の広告を見て、そこにこのヤマハジャンボタイプの見たこともないギターが載っていた。サイド&バックがハカランダと書いてある。
その前に、ちょっと「ヤマハジャンボタイプのボディ」と「ハカランダコンプレックス」について。
ヤマハは
フォークタイプ、
ウエスタンタイプ、
そして、ジャンボタイプのボディがある。
フォークタイプボディーは、FG−150、
ウエスタンタイプボディーは、FG−180
が代表的機種と言えるでしょうか。
そして、このジャンボタイプ。特に、ヤマハの代表的なボディ・シェイプとなっている。
1971年に初めて、ジャンボタイプのギターが作られている。
FG−2000というオール単板モデルで、サイド&バックがハカランダという超高級機種。
ハカランダ単板を使用していて、当時当然高価だったけれど、ハカランダが今ほどまでには、高級な材とはなっていなかった。
ハカランダは、今では、超高価な木材となった。
だんだん世界中の木が伐採されて、数が減ったこと。
また、ワシントン条約によって、森林保護、生態系の保護のために、その輸出入が禁止されたことによる。
そんな訳で、ヤマハも今では、ハカランダを使わずにギターを作るようになった。世界のギターメーカーもどこもそうなって来ている。ハカランダを使うとすれば、貴重な在庫による訳だ。ある意味ハカランダを使うのは、反則かなー。
それを嘆く人もあるが、それが世界のルールなのだから、ハカランダを使わずに、素晴らしい音作りに挑戦するしかない。
ハカランダ・コンプレックス!
と言う感じが、ギターコレクターの中にはある。
プレヤーはそんなこと気にする暇もないかも知れない。
いい音だったらこだわらない。
ハカランダはローズウッドよりも、華やかな音が出るのだと言われている。だから、みんなこの素材にこだわるのでしょう。
1997年、いろいろな面で一段落ついた時期だったので、YAMAHA LL−31Bというギターを買った。
しかし、それはやはりニューハカランダと言う材で出来ていて、本当のハカランダではなかった。
その後、ハカランダへの興味は尽きず、このFG−580に出会ったのだけれど、そのときは、これこそハカランダだと思っていた。しかし、どの資料を見ても、ニューハカランダと書いてある。
結局、ニューハカランダというの、ローズウッドなのだそうです。
このFG−580は、それだけ色といい、木目といい、迫力あります。音も、柔らかくて、そして華やかで、しっかり音が出てます。
値段も、このFG−580に関しての評価は、ホントに、ピンきりです。
店によって、高い方と安い方で15万円と5万円という風に、10万円近く差が出るのです。不明です。
とりあえず、音は、とても気に入ってます。FG−2000の製作を受けて、グリーンラベルにも登場したみたいです。
このギターを手にしたとき、ヤマハは、この時期は、やりたいことをどんどん思い切りやってたんだなっと思いました。ジャンボタイプのハカランダ、バックは2Pです。
よく伸びる音作り。とても華やかな音です。
3Pバックの方が木の大きさは小さくてすみますね。2Pバックはホントに大きなハカランダの板を使う必要がありますね。これも今では大変なことですよね。まあ、FG−580はニューハカランダだから、そんな心配しなくていいのだけれど。
高音のサステインはウエスタンボディーのFG−500Jを思わせるところがあります。
大きいボディーですが、思いのほか繊細に響きます。
とても気に入ってます。
( 文 2006.3・1 UP )
モデル名 | YAMAHA FG-580 |
製作年 | 1972〜74年 |
top | スプルース単板 |
side & back | ニューハカランダ/同単板 |
neck | アフリカン・マホガニー |
fingerboard & bridge | 黒檀 |
ラベル | グリーン |
弦長 | 637.2mm |
生産地 | 日本製 |
特徴 | ヤマハ・ジャンボ・ボディー、ニューハカランダの使用、トップとバックに単板使用。 バックのニューハカランダ単板2Pバックは貴重。 |
購入時のエピソード | 西部池袋線 東松山まで出かける。雑誌の広告をみて。はるばると。1997年春購入。ヤマハのFGにこんなギターあるのかと驚いた。 |